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第二章で述べたように、医学教育の内容は各医学校によってそれぞれかなり異なり、そのうえ卒業後も大部分は母校の大学病院で研修を受け、さらに開業しない限り生涯大学医局の関連病院の中で働くことが多い。医師がこのように相互に孤立した大学医局に組み込まれているため、すべての医師が合意できるような「最適」のスタンダードを確立することは難しい課題となっている。こうした背景で、専門医の制度の確立も遅れている。
専門医としての認定制度は昭和三八(一九六三)年の麻酔科に始まり、昭和五五年には二二の学会が集まって学会認定医制協議会が発足したが、明確な役割を確立するには至っていない。平成五年には、同協議会は日本医師会と日本医学会と合同で三者懇談会を組織し、その中で医師はどの診療科目を標榜してもよく、また認定医となっても診療報酬に格差をつけるようなことはしないことを合意した。
そもそも専門医の資格が日本であまり公認されていない一つの理由は、認定されるための基準が各学会によって非常に異なり、また、いずれも歴史が浅いために正式な試験によって認定された医師は一割程度に留まっていることによる(残りは、実績に基づいて認定)。なお、看護婦を始めとする他の医療職者についても、アメリカに見られるようなより専門性の高い認定資格はほとんど存在ぜず、看護において平成八年にばじめて「精神看護」と「がん看護」の二領域で合わせて八人が誕生したのにすぎない。次に、「プロセス」面についても、日本のレベルは低い可能性が高い。カルテの内容を定期的に点検し、質を確保するために必要なあらかじめ決められた手順が守られているかどうかなどをチェックする。
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検診に要した費用に見合うだけの効果が得られているかという費用効果分析はほとんど行われておらず、そもそも広範であればあるほど良いという前提のもとで拡大された感がある。
しかしながら、新生児の代謝性疾患に対する検診はコストに見合うことが検証されており、また他の検診も健康を維持する必要性を自覚さぜるうえで一定の成果を上げている可能性も否定できない。今後の課題としては、それぞれのライフスタイルや既往歴に即したよりきめの細かい個人検診を広げることであろう。病院組織としてのまとまりこれまで述べてきたように、日本の医療や教育の体制はプロフェッションとしての質の確保という点では確かに問題であるが、一方ではとくに医師以外の医療従事者にとってばブラスの面もあることに留意する必要がある。